一つ目はドキュメンタリ。
オハイオ州コロンバス(オハイオ州立大学がある場所でもある、ってことは、
先輩が交換留学で行ってた学校になるんだ!って今気付いた)は、
50年代、低所得者の人たち、まぁ、多くの黒人が住みつくように
なっていた住宅街なのだけど。
'oo年代、いきなり裕福な白人ゲイたちが入ってきて、
そこらの住宅を購入しようと、ゲイ・コミュニティを作ろうと、街を
乗っ取ろうとしていった(今も続いているけど)プロセスを描いた作品。
タイトルの"flag"旗は、ゲイのカップルたちが家の前にかかげるようになった
レインボーの旗と、それに対抗して、黒人の人たちも自分たちのアメリカ
南北戦時代の、旗をかかげるようになった旗から。
金持ち白人、ピンクのラルフローレンのポロシャツの襟立ててる
日サロ焼けしまくってるゲイたちは、道端でホームレスの人に
出くわしたり、夜の銃声とか聞いて、こんな荒れている場所で、
ボクたちのコミュニティが作れるワケない
じゃない!出ていって!って態度で。
対して、黒人の人たちも、ココはずっと俺たちの土地だったんだ、
お前らオカマみたいな変態なヤツらは入って来るんじゃねえ!って態度で。
でも声を上げて、戦うことも出来ないのは、難病持ちで治療費と
家賃の請求でどうしようもない状態に追い込まれている、底辺の人。
一人の、そんな女性の視点からも描かれているんだけど、
うん、うまく言葉に出来ない。観よう!
ボスニアの大虐殺の、民族浄化"ethnic cleansing"のプロセスに
例えていて、色んな視点から描かれていて、良かった。
二つ目は"Shortbus"『ショートバス』って映画。
監督はヘドウィグの、John Cameron Mitchell。
キャストは公募で行われて、台本もほとんどなしで、「クィア界」の
セレブなドラァグだったり、理論家だったりが出演していて。
主人公の一人のアジア系女性は、カナダでDJやってる人とか。
セックスの多い映画ってかむしろポルノ映画だから、所属していた
ラジオ局から反対があったりしたらしいけど、クィア界の著名人
(09年にリリースされたドキュメンタリじゃない、ショーンペンの
"Milk"『ミルク』の監督のGus Van Santとか)がラジオ局に
抗議の手紙みたいなんとか出して、出演許可されたとか。
セットも「USクィア界」的には超ゴーカで、一つはNYで起きたAIDS現象に
ついて論じているMichael Warnerの自宅とか!
舞台はいちよう、ポスト9/11のNYってなってるんだけど、
(よってポストAIDS、ポストNYのGiuliani市長による中産階級化)
実際のセリフに、
"It's just like the '60's. Just with less hope."
「60年代みたいなモノよ。ただ将来がないってだけで。」
みたいにあるみたいに、ヒッピーな60年代を彷彿とさせる感じあったり、
アニメーションで(Mitchellはこの手法をよく使う)ファンタジックな雰囲気があったり、、、
そのファンタジックな感じは、物事のtemporalityを表わしていて、
その未来のなさは、90年代のAIDSパニックのころとしても解釈
出来るのでは?って意見も授業では出たのだけど、確かに、
ミュージカル映画RENTのポルノ版、のようにも感じられた。
NYでいちばんAIDSが騒がれいた70~80年代にかけて市長だったEd Kochは、
今はもう亡くなられているのだけど、KochはそのAIDSの騒ぎのころ、
何も対策を打たなかったのは、積極的に取り組むことによって、逆に
ゲイだって思われたくなかった・バレたくなかった;クロゼットclosetedだって
ずっと疑われている市長なんだけど、Ed Kochのキャラクターも出てきたり。
あー、去年観た、『愛のむきだし』以来、良い意味でぐっちゃぐちゃなって、
ぐるぐる考えさせられる、長いんだけど何度も何度も観たい思った映画だ。
気になったのは、最後にぱーっと、みんな解放されるのと、
SM文化の表象のされ方ぐらいかなー。
主人公の一人の女の子が、SMの女王様で、「本当の自分」を
うまく表現出来ない、人とうまく関係を持てない、みたいな語りだったのだけど。
あーまり好きじゃなかったかな、その読み方は。
もっとSM文化って、複雑だと思うんだよなー。
「痛み」×「恥」×「侮辱」・・・=快楽;
「痛み」が欲望の対象であるとことか。
あと最後みんなひゃっほうーって解放されるのより、
複雑なままで、みんな傷ついたままのが良かった、ってワケじゃないけど、
そんな単純じゃないでしょう、みんな救われるのなんてない、
誰かが承認され、救われるとき、誰かはそのプロセスによって、なお周縁化され、
なお傷つくことだって、あるんだから、ってのを、表現して欲しかったのかな。
(だって実際そうじゃない)
東京に戻るので何が楽しみって、またお気に入りの映画館に行くことなんだな。
アップリンクでは『アリ地獄のような街』、
ポレポレでは『ただいま』、『アヒルの子』、『LINE』、
ユーロで『クロッシング』、
早稲田でフランス映画、
イメージフォーラムでジジェクの映画ガイド(ジジェクとは友達の友達=みんな友達な関係笑)、『ビルマVJ』、
岩波で『パリ20区、僕たちのクラス』、
ライズでやってる名画座ので『トレインスポッティング』@初めて観たのは10歳、
ギンレイで母の日企画のつもりなのだろうけど、母の日には重いだろうな映画2本、
アテネ・フランセでアメリカ映画のパフォーマティヴィティと「時間」の、、、
それでそれで、あの映画館に行った帰りにはあそこのカフェに行って、、、
ここでの生活もあと2週間って思うと、とてもとても悲しくなるけど、
東京もやっぱり待ち遠しいんだな。シティ・ガール。
あと2週間か♪♪
返信削除帰って来たらまた映画行こう!!